ミステリアスアイランドの設定を原作の小説・映画と比較してみた

ミステリアスアイランドには、その原型とも言える2つの作品があります。

  • ジュールベルヌの小説『海底2万里』(1870年)
  • ディズニー映画『海底2万マイル』(1954年)

3つの関係はこんな感じ

3つのストーリーはそれぞれ別々ですが、とても混合されがちです。
僕も「あれ?この設定ってどの作品のやつだっけ?」とごっちゃになることが頻繁にあります。

ということで、あまり需要は無いと思いますが、メモもかねて3つのストーリーの相違点・共通点をこの記事ではっきり区別させとこうと思います。

各作品の概要

小説『海底2万里』

1870年、フランスのSF作家ジュールヴェルヌにより発表された代表作。

世の中に出回っている「ノーチラス号」とか「ネモ船長」が出てくる作品すべての元ネタ。

映画『海底2万マイル』


(c)“20,000 Leagues Under the Sea (1954 film)”

上記の小説を1954年にディズニーが映画化したもの。と言っても小説とは物語が異なる。

ミステリアスアイランド

2001年、ディズニーシーと同時にオープンしたテーマポート。

公式サイトいわく、「ジュールヴェルヌの物語にヒントを得たテーマポート」。

確かにエリア名は彼の小説『The Mysterious Island』から来ているし、アトラクション「センター・オブ・ジ・アース」も彼の『地底旅行』をコンセプトにしている。「海底2万マイル」は言うまでもない。
しかし実際はジュールヴェルヌの小説よりも映画の要素が強め。これは後述。

時系列とあらすじ

小説『海底2万里』

1866年から、船舶が怪物に襲われ沈められる謎の事件が頻繁に起こり始める。 1867年7月ごろ、「リンカーン号」と呼ばれる軍艦が事件の原因を調査するために出港。

1867年11月、リンカーン号が例の怪物に襲われ、乗船していた3人(アロナックス博士、コンセーユ、ネッドランド)が海に投げ出される。3人は海で潜水艦ノーチラス号(怪物の正体)を発見し、ネモと名乗るその潜水艦の船長に救助される。 最初の方は潜水艦の機能や海の神秘に感動していたアロナックス博士だが、次第にネモ船長の残虐性が見えてくるように。

1868年7,8月ごろ、3人はノーチラス号を脱出する。

このときノーチラス号は巨大な大渦に巻き込まれており、その後ノーチラス号が無事なのかどうかはわかっていない。

映画『海底2万マイル』

1868年から、船舶が怪物に襲われ沈められる謎の事件が頻繁に起こり始める。 1868年12月、リンカーン号が怪物に襲われ、3人が海に投げ出される。

3人はノーチラス号に勝手に乗り込み、一度はネモ船長に海に捨てられそうになるが、何とかノーチラス号に乗せてもらえることになる。
(中略)

1869年ごろ、なんか色々あってネモ船長が銃で撃たれる。
ネモ船長は死を悟り、ノーチラス号と共に死ぬことを決意。ノーチラス号はネモ船長とクルーたちを乗せて海底へ沈没していく。
このときに3人は何とか脱出に成功する。

ミステリアスアイランド

ノーチラス号の船長、ネモ船長は南太平洋で地図に載っていない島を発見した。
この島がミステリアスアイランドの舞台。

ネモ船長はこの島に基地を作り、1873年の現在まで島の調査や科学研究をずっと続けてきた。

※島を発見した年代ははっきりしていないが、最低でも1864年以前には発見しているはず。

ネモ船長

小説『海底2万里』のネモ船長

海をこよなく愛する。
普段は穏やかで紳士的だが、残虐性・狂気を隠し持っている。

どうやら過去にあった出来事(作中で詳細は述べられていない)のため、地上の人間に強い恨みを持っているようだ。

国籍ははっきり述べられていないが、南国的な容姿らしい。インド人という説が一般的。
右がネモ船長(↓)


(c)“20,000 Leagues Under the Sea (by Jules Verne)”

映画『海底2万マイル』のネモ船長

小説同様に海を愛し、普段は穏やかだが残虐性・狂気を隠し持つ。

かつて白人奴隷で、妻子を殺された過去があり、戦争を繰り返す人類に強い恨みを持つ。
そのため、軍艦を見つけると手当たり次第に沈めてしまう。

小説とは異なり、容姿はヨーロッパ系である。(俳優はイギリス人)


(c)“20,000 Leagues Under the Sea (1954 film)”

ミステリアスアイランドのネモ船長

やはり海を愛している。
だが海以外にも、地底など様々なものに興味を持ち研究している。

穏やかで、小説・映画のような残虐的な面は見られない。
人間に恨みを持つよりも、むしろ自分の科学力を人類の役に立てたいと考えている。

飾られている肖像画から、映画と同じ容姿であることがわかる。

ノーチラス号

小説『海底2万里』のノーチラス号

葉巻に似た形らしい。


(c)“20,000 Leagues Under the Sea (Jules Verne)”

エンジン:電気モーター
電源:ナトリウム電池

ナトリウムを消費して発電するナトリウム電池で、推進力および艦内設備に必要な電力をまかなっている。
必要なナトリウムは、海水の塩分(塩化ナトリウム)からナトリウムを抽出して得ている。

映画『海底2万マイル』のノーチラス号

ディズニーのノーチラス号と言えばこのデザイン。


(c)disney.wikia.com

エンジン:蒸気機関(ビームエンジン)
熱源:おそらく原子力

蒸気機関の一種であるビームエンジンで推進力を得る。

熱源(エネルギー)は、ネモ船長が発明した正体不明の新エネルギー。ネモ船長はこれを絶対に人類に渡してはいけないと考えていた。劇中でははっきりと述べられていないが、いかにも原子力のような表現がなされていて、一般的には原子力だと考えられている。

ミステリアスアイランドのノーチラス号

映画のノーチラス号と同じデザイン。

なぜかパーク内にノーチラス号についての解説資料が見つからないので、エンジン・エネルギー共に不明。

自分は勝手に「外観が映画と同じデザインなのだから、中身も映画と同じに違いない」と思い、映画と同様に蒸気機関だと確信していたが、証拠がない以上そういう決めつけは良くなかった。

小説のようにナトリウム電池の可能性もある。これについては今度詳しく…。

クラーケン

小説『海底2万里』のクラーケン

作中でノーチラス号は巨大なタコに襲われる。

映画『海底2万マイル』のクラーケン

小説ではタコだったが、映画では巨大なイカに襲われる。

ミステリアスアイランドのクラーケン

アトラクション「海底2万マイル」で、小型潜水艇は巨大イカに襲われる。
映画同様タコではなくイカ。

映画からミステリアスアイランドへ引き継がれた要素

映画からミステリアスアイランドへ引き継がれた要素は多く、それを以下に列挙する。

  • ネモ船長の容姿
  • ノーチラス号のデザイン
  • クラーケンの種類
  • 潜水服のデザイン
  • ヴォルケイニア島

「ネモ船長の容姿」、「ノーチラス号のデザイン」、「クラーケンの種類」については既に説明した通り。

潜水服のデザイン

アトラクション「海底2万マイル」のキューラインにある潜水服は、映画に登場したものと同じデザインである。

映画(↓)


(c)“20,000 Leagues Under the Sea (1954 film)”

キューライン(↓)

映画では、ネモ船長がヘッドライト付きの潜水服(右)を着ていて、他のクルーたちはライトが付いていない潜水服(左)を着ていた。

ヴォルケイニア島

映画には、ネモ船長の拠点の島「ヴォルケイニア島(Vulcania)」が登場する。


(c)scyfilove.com

ミステリアスアイランドの外観はこの島をモデルにしており、ミステリアスアイランドの正式名称も「ヴォルケイニア島(Vulcania)」である。

おそらく、映画のヴォルケイニア島とミステリアスアイランドは別世界の同じ島である。

小説からミステリアスアイランドへ引き継がれた要素

アトラクション「海底2万マイル」にはアトランティス大陸が登場するが、これは小説にも登場していた。
と言ってもアトラクションのように、海底でアトランティス人の生き残りが生活しているということはない。

アロナックス深海

ミステリアスアイランドの海図によると、ミステリアスアイランドの近海に「ARRONAX ABYSSAL(アロナックス深海)」という海域がある。

「アロナックス」は、小説・映画の両方に登場するメインキャラクターの名前である。
イマジニアの遊び心だろう。

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コメント

  1. 匿名 より:

    海を愛するネモ船長が放射性廃棄物を生み出してしまう原子力機関を使う点はちょっと疑問を産む設定ではありますね
    かつて鉄腕アトムが80年代にリブートされた際アトムの動力は原子力エンジンから核融合エンジンに設定変更され、03年代ではアストロシステムという完全に架空の機関に変わっていったように
    ノーチラス号の動力システムのBGSも時代に合わせて変更されていく可能性があるかもしれませんね

    • Axel より:

      なるほど…そう言われると確かに原子力とは言い切れないですね。あくまでも「ネモ船長が開発した謎の新エネルギー」という考え方のままでいるべきなのかもしれません。